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 山口県地方青少年武道錬成大会 /
              江上コーチが山口県の子供たちと柔道漬けの3日間(8/4〜6)

■ 本大会の位置付け「地方青少年の健全育成が主目的」
 この練成大会は、(財)日本武道館(以下、武道館)が「文部科学省国庫補助対象事業」として主催しています。
 (財)全日本柔道連盟は、武道館からの依頼に基づき、本錬成大会の中央講師を推薦する役割があり、過去の実績を元に講師陣を人選します。
 また、開催場所は、北海道から沖縄まで「全国都道府県立武道館協議会」に加盟している45都道府県を対象に48館の加盟武道館を会場として、小・中・高生を対象に「武道の基本技能の習熟」を主眼として開催しているみたいです。
 なお、柔道以外の種目としては、剣道、弓道、相撲、なぎなた、銃剣道、少林寺拳法、合気道があり、H21年度実績で年間55回(柔道8回)開催しています。
 
■ 通算9回目の錬成大会へ
 一番遠い順で「イタリア、青森、山形、愛知、島根2回、沖縄2回、山口」の計9回と、述べ約2,500人(イタリア含まず)の子供達と柔道を通じた心身の鍛錬と競技力の向上は言うまでもなく、「柔道の歴史や文化的要素を楽しく教えること」、「柔道の醍醐味等を分りやすく伝えること」などをテーマとして、毎年、いろんな県の子供たちと柔道を通じた交流を重ねています。

■ 準備万全「35度以上の真夏のランニング」
 平成22年8月3日(火)PM2:00博多駅を出発し、一路、山口県湯田温泉に向かい、PM3:30頃に到着です。
 ホテルに着くと早速、ランニングシューズに履き替え、35度の灼熱の街中を、体調を整えるため、約40分のランニング、補強運動20分とたっぷりと汗を流し、体調を整え、準備万全!体から吹き出す汗、真夏の太陽がとても眩しい。
 学生時代から、大きな試合前は、必ず、走って「心」と「体」をコントロールしてきたので、その習慣が体に染み付いているのか、暑かろうが、寒かろうが天候に関係なく、気づけば、自然と走っているみたいな感じです。

■ ユニークな講師陣
 今回の錬成大会は、私を含めて、兵庫県警の中野先生、関東学園大学の竹澤先生の3名です。
 初日から意気投合し、錬成大会の指導要領について、ホテル内の会議室で約1時間、中野先生の部屋で約1時間のミーティングを行い、3日間のスケジュールについて、熱心に語り合いましたが、とにかく2人の意気込みは、すごい。
 ちなみに、中野先生は、各種国際大会、正力杯、嘉納杯、警察大会等で優勝の実績があり、トークもボディーもポジティンブな37歳です。
 次に、竹澤先生は、世界Jr、各種国際大会で優勝経験があり、小内刈や内股など切れ味鋭い技と、鋭い眼光を持つ風格のある柔道家(年齢不詳)です。
 特筆すべきは、中野先生ですが、仕事が終わると、日本海に出かけて、サメとの格闘をしているそうです。
 特に最近は温暖化の影響もあり、日本海には、かなり大型のサメが生息しているそうで、竿ごと海に引きずられるため、「負けてたまるか!」と海に飛び込みサメと格闘するそうです。・・・恐るべし37歳!

■ 錬成大会(初日)
 さて、錬成大会の始まりは、柔道のほかに剣道、弓道の3団体で、合同開会式を行い、参加者約500名と盛大に開かれました。
 これまでの錬成大会と違い、柔道以外の武道との合同開催だったので、一体どういう展開になるのか、若干の不安がありましたが、難なく開会式も終わり、一安心です。

 詳しい練習内容は、以下のとおりです。
(1日目:午前)主担当:江上先生
@ 柔道クイズ            約30分
A ランニング・ストレッチ     約20分
B 打ち込みの必要性(講話)  約10分
C 打ち込みの基本動作     約20分
D いろんな打ち込み動作    約30分
E ストレッチ            約10分
―昼食―
(1日目:午後)主担当:竹澤先生
@ランニング・ストレッチ      約20分
A投げ技の説明(中野・竹澤・江上) 約30分×3名=90分
B打ち込み              5分
C乱取り               (2分+1分GS)×8本
D3本取り              約10分
Eストレッチ             約10分

■ 柔道の歴史・知識クイズで盛り上がる!
 とにかく道場内は蒸暑く、体感温度は35度以上、ただ立っているだけで、頭が「ぼー」としてきて、汗が「ぶわー」と吹き出てきます。
 蒸し暑い道場でしたが、子供たちは、そんなの気にせずに、道場内を走り回ったり、相撲したり、山口県の子供たちは無限のパワーを持ってます。
 さて、練習メニューは、始めに「柔道のことをもっと知ろう」と題して、○×クイズを行いました。子供たちの反応も良く、「知ってる、知ってる」だとか、「難しくてわからん」等、チームで考え、チームで行動する連帯感の面白さや、柔道の歴史や知識を遊びの中で、楽しく体感してもらえたと思います。緊張もほぐれたかな?

■ 竹澤先生の海外仕込みの準備運動・・・こんなやり方もあるのかと驚きの連続!
 午前中は、私が柔道クイズ、打ち込みの基本動作を中心に、自分のエピソード(体験談)を交えて、約2時間程度行いましたが、山口県の子供たちはとにかく覚えるのが早く、スポンジのように吸収し、何度も、繰返し練習する熱心な子供たちが多いので、上達も早いです。
 午後からは、竹澤先生にバトンタッチし、道場の廻りを走りながら、ストレッチ動作や、「5人、10人」など素早く集散を繰返す運動等、海外仕込みのアップ方法等を指導し、講師である私自身も、勉強になりました。

(2日目:午前)主担当:中野先生
@ストレッチ・回転運動        約10分
A寝技補強運動(脇しめ、エビ等) 約40分
B寝技の説明(高校生=中野先生) 約60分
(中学・小学生=江上、竹澤先生)
C乱取り               (3分×5本)
D3本取り                約10分
Eストレッチ               約10分
―昼食―
(2日目:午後)主担当:竹澤先生
@ストレッチ・回転運動        約10分
A打ち込み      5分
B立ち技の説明   90分(30分×3講師)
 ・ 竹澤先生(小内刈)
 ・ 江上先生(袖釣込み腰)
 ・ 中野先生(背負投げ)
C乱取り      40分(2分+1分GS×8本)休憩時間含

■ 維新公園のスタッフ、ボランティアスタッフの皆さんに感謝
 練習終了後に、およそ5キロ以上ある汗まみれの臭い柔道着を、3日間、明るい笑顔で洗濯から天日干しまで、引き受けてくれた、現地スタッフの皆さん、本当に感謝です。
 それと、毎回の昼食の準備、練習中の冷たいお絞り、お茶出しなど、連日30度を超える酷暑の中、私たち講師陣をお世話など、本当にありがとうございました。
 特に、維新公園スタッフの「仮称:しづちゃん」には、帰郷する間際まで、タクシーの手配から柔道着の洗濯まで、それと、この掲載写真の提供など、本当に感謝しています。ありがとう!

■ 「ジャンククラッシュ」の中野先生、夜も飲み屋で関節技の講技
 錬成大会の夜の部は、(初日)終了後、「焼肉屋」で県内の地元講師の先生方が、懇親会を開催していただき、美味しい肉と美酒で、昼間の疲労も吹っ飛びます。
 終始、柔道談議と学生時代のエピソードに花咲かせ、お腹も心もビールとホルモンで爆発寸前です。
 そして、砂川先生、宮原先生(娘さま:送迎ありがとうございます)、小林先生、平野先生、西田先生、本当にお世話になりました。
 特に砂川先生(七段)夜の部、「居酒屋ハシゴ連盟会長」には、多大なご尽力を頂きました。
 2日目の夜は、地元居酒屋で美味しいものを頂き、2次会では、中野先生の関節技の指導があり、素人相手に関節技をかけ、逆にアキレス腱固めを決められタップする珍場面もありましたが、とにかく中野先生の講技は夜遅くまで続きました。
(夜の特別講技の内容)中野先生は「ジャンククラッシュ(キン肉マン/ジャンクマンの必殺技)」を連発!後頭部を両腕ではさみグシャグシャに揺らすという、むちゃくちゃな技、これを食らうと目眩がします。
 とにかく、砂川先生の人柄に惹かれ、また、地元講師の先生方の配慮もあり、久しぶりに学生時代に戻った気分で、楽しい夜を過ごすことができました。再度、感謝です。

■ 最終日
(3日目:午前)主担当:江上先生
@ストレッチ・回転運動       約10分
A反射神経の補強        約20分
B立技の説明           約60分
 ・ 竹澤先生(小内・内股からの連続技)
 ・ 江上先生(袖釣込みからの連絡技)
      (試合前のコンディショニング)
      (メンタルトレーニング)
 ・ 中野先生(背負投げからの連続技)
C乱取り             約30分(2分+1分GS×8本)
Dサーキットトレーニング
E「心は一つ」最後に全員で円陣スクワット100回
Eストレッチ 

―閉会式―
■ 全員でスクワット100回(心はひとつ)
 最終日は、私がマイクを握り、主に立技中心に3時間の講技を行いました。
子供たちも少し疲れが見える最終日でしたが、ウォーミングアップから立技まで、全員が力を抜かずに、集中して練習を行い、サーキットトレーニングでは、自分自身を追い込み、乳酸でまたまた爆発寸前です。
 最後に、全員でスクワット100回、声を合せて、心を合せて、声の続く限り、最後の力を振り絞り、大人も子供も関係なく、まさに、一体感が生まれた瞬間です。感動。
 子供たちも、歓喜し、自然と拍手が生まれました。(皆、よくがんばった!)
 3日間を締めくくる最後に「心をひとつ」にして、「苦しくても、諦めないで、最後までやる」という精神が身に付いたと思います。
★ 錬成大会に参加した、全ての子供たちに「一言メッセージ」 ★
「成長の過程に、楽な道はない。苦しい瞬間に耐え抜いてこそ、真の成長がある」
〜柔道を通じて、簡単に諦めない、妥協しない、強い精神力を身に付けてください〜

■ 錬成大会を終えて
 小学生から高校生まで、年代はバラバラですが、山口県の子供たちは、技を教えると、覚えも早いし、自分のものにしようと「コツコツと地道な努力」ができます。
 何回も、何回も同じ動作(打ち込み)を繰返し、休憩時間や錬成大会が終わったあとも、友達同士で掛け合い、汗を流す姿は、とても素晴らしいと思います。
 「明確な目標を持って、日々努力を積み重ねること」が強くなるために必要な要素の一つだと思います。

 最後に、錬成大会で共に中央講師の任を受けた、中野先生、竹澤先生には、感謝の気持でいっぱいです。子供との接し方や、いろんなトレーニング方法等、勉強させていただきました。ありがとうございます。また、このメンバーで錬成大会に挑みたいですね。
 そして、現場でお世話いただいた地方講師の先生方や維新公園の皆様及びボランティアの皆様、山口国体の成功と、皆々様の今後の更なる飛躍を祈念します。

九州電力株式会社 柔道部コーチ 江上忠孝