期 日
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平成25(2013)年3月24日(日)〜4月1日(月)
[大会実施日 3月30日(土)] |
場 所 |
ロシア連邦 サンクトペテルブルグ市 |
■ 参加者名簿
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役 職 |
階 級 |
氏 名 |
所 属 |
1 |
選 手 |
90kg超 |
田中慎太郎 |
田主丸中学校 2年生 |
2 |
選 手 |
90kg |
矢野 真我 |
田主丸中学校 2年生 |
3 |
選 手 |
81kg |
谷口 瑠聖 |
田主丸中学校 2年生 |
4 |
選 手 |
73kg |
野瀬 翔平 |
洞北中学校 3年生 |
5 |
選 手 |
66kg |
笠原 大雅 |
田主丸中学校 2年生 |
6 |
選 手 |
60kg |
市岡 利樹 |
白光中学校 3年生 |
7 |
選 手 |
55kg |
原口 湧人 |
前原中学校 3年生 |
8 |
選 手 |
50kg |
湯本 祥真 |
大蔵中学校 1年生 |
9 |
団 長 |
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久野 裕久 |
九州管区警察学校 柔道教授 |
10 |
審 判 |
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野口 博之 |
県立八幡高等学校 教諭 |
11 |
コーチ |
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渡邊 裕二 |
九州電力株式会社 会社員 |
■ 行 程
期 日 |
時 間 |
内 容 |
3月24日(日) |
17:20
19:00
22:00 |
福岡空港発[スカイマーク806便]
成田空港着
成田空港発[エミレーツ航空319便] |
3月25日(月) |
5:00
9:15
15:50
18:00 |
ドバイ空港着 ※時差 −5時間
ドバイ空港発[エミレーツ航空175便]
サンクト・ペテルブルグ(プルコヴォ)空港着
ホテルチェックイン |
3月26日(火)
〜29日(金) |
AM
PM
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練習
市内観光ほか
※28・29日は、オールロシアチームとの合同練習
※29日は、日本領事館歓迎レセプションに出席 |
3月30日(土) |
終日 |
大会当日 |
3月31日(日) |
18:30 |
サンクト・ペテルブルグ(プルコヴォ)空港発
[エミレーツ航空176便] |
4月1日(月) |
0:35
2:50
17:35
19:45
21:55 |
ドバイ空港着
ドバイ空港発[エミレーツ航空318便]
成田空港着 ※時差 +5時間
成田空港発[JAL3057便]
福岡空港着 |
■ 大会結果
1.結 果
優 勝 |
オールロシア ※ロシアジュニアナショナルチーム |
準優勝 |
サンクトペテルブルク(ロシア) |
第3位 |
日本 |
第3位 |
モスクワ州(ロシア) |
※ 参加10チーム 8人制団体戦
2.内 容
【予選リーグ結果】
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プールA |
プールB |
第1位 |
日本 |
オールロシア |
第2位 |
モスクワ州 |
サンクトペテルブルク |
第3位 |
チェチェン共和国 |
中央(ロシア) |
第4位 |
ヴォルガ州(ロシア) |
リトアニア共和国 |
第5位 |
北西(ロシア) |
ウラジオストック(ロシア) |
【予選リーグ内容(日本チーム分)】
第1試合 |
第2試合 |
日本 6対2 北西(ロシア)
湯本 ○ 優 勢 ※背負投 有効
原口 ○ 優 勢 ※内股 有効
市岡 ○ 崩上四方
笠原 ○ 背負投
野瀬 優 勢 ○ ※隅返 有効
谷口 反 則 ○ ※足取り
矢野 ○ 浮 落
田中 ○ 反 則 ※指導4 |
日本 5対3 ヴォルガ州(ロシア)
湯本 ○ 巴 投
原口 優 勢 ○ ※内股 有効
市岡 ○ 優 勢 ※支釣足 技有
笠原 ○ 合せ技
野瀬 優 勢 ○ ※内股 有効
谷口 優 勢 ○ ※背負投 有効
矢野 ○ 優 勢 ※払腰 技有
田中 ○ 上四方 |
第3試合 |
第4試合 |
日本 5対3 モスクワ州(ロシア)
湯本 ○ 優 勢 ※内股 有効
原口 優 勢 ○ ※GS 指導
市岡 ○ 背負投
笠原 ○ 大外落
野瀬 反 則 ○ ※足取り
谷口 ○ 優 勢 ※指導3
矢野 十字固 ○
田中 ○ 内股透 |
日本 C対4 チェチェン共和国
湯本 ○ 背負投
原口 優 勢 ○ ※背負返 有効
市岡 反 則 ○ ※指導4
笠原 ○ 大外刈
野瀬 小内刈 ○
谷口 合せ技 ○
矢野 ○ 反 則 ※指導4
田中 ○ 優 勢 ※内股 技有 |
【決勝トーナメント結果】
準決勝 日 本 2対6 サンクトペテルブルク
準決勝 オールロシア 8対0 モスクワ州
決 勝 オールロシア 6対2 サンクトペテルブルク
【決勝トーナメント内容】
準決勝 |
日本 2対6 サンクトペテルブルク
湯本 優 勢 ○ ※裏投 技有
原口 合せ技 ○
市岡 反 則 ○ ※指導4
笠原 ○ 背負投
野瀬 反 則 ○ ※足取り
谷口 内股透 ○
矢野 優 勢 ○ ※隅返 有効
田中 ○ 内 股 |

・ 第3位入賞 |

・ 表彰式後、入賞チーム集合 |

・ 試合会場全景 |

・ 優勝したオールロシアチーム |
■ 遠征記
1 はじめに
3月24日から4月1日までの9日間、県内から選抜された中学生8名とともに、ロシア連邦サンクトペテルブルグ市を訪れ、3月30日に当地で開催されたプーチン杯国際ジュニア柔道大会に参加しました。
この遠征事業の目的は、次代を担う県内の若い選手が、海外の同世代の選手と交流することにより、視野を広げ人間的にも成長すること。現地で夕食会を催していただいた日本国総領事館の山村総領事からは、「8回目を迎える本事業は、日本−ロシア間の友好親善に多大なる貢献を果たしている。」との評価をいただきました。

・ 日本国総領事館前にて@ |

・ 日本国総領事館前にてA |
2 結団式(壮行会)
3月16日(土)14時から、グローバルアリーナにおいて結団式(壮行会)が行われました。はじめに、藤田会長から本事業の主旨説明、激励の言葉が述べられ、その後、サニックススポーツ振興財団から記念のバッグ、グラウンドコートが各人に手渡されました。
選手を代表し、白光中学校の市岡選手が感謝の言葉を述べ、全員で記念撮影を行いました。少しずつですが、ロシアに向け、高揚感が感じられました。
3 いざ出発
3月24日(日)16時に福岡空港に集合。大きなスーツケースを引きずり、家族・親族を引き連れて選手達が集まってきました。藤田会長から、「海外の風を感じてきて欲しい。」との言葉をいただき、いざ出発ロビーへ。
ここから、成田−ドバイを経由して最終目的地サンクトペテルブルグ市へ。乗り継ぎのための待機時間を含め約30時間の長い長い空の旅でした。はじめは元気のあった中学生も、途中から言葉が無くなり、到着する頃には疲れ果ててました。
サンクトペテルブルグ(プルコヴォ)空港で、通訳のウラジミールさんと合流。彼には遠征中、微細に渡り気を使っていただき、我々の動向をサポートいただきました。彼なしに今回の遠征の成功は語れません。
4 サンクトペテルブルク市について
バルト海のフィンランド湾最東端に位置するサンクトペテルブルグ市は、かつてロシア帝国の首都として栄えました。現在は、人口約487万人を有するモスクワに次ぐロシア第二の都市であるとともに、ロシアの文化・学術の中心地となっています。市内中心部は世界遺産に指定され、夏の白夜の時期には各国からの観光客で賑わいを見せるそうです。
滞在中、比較的天気には恵まれましたが、気温は−5℃〜1℃くらい。市の中心部を流れるネヴァ川も凍った状態でした。
市内中心部には、主なものだけでもエルミタージュ美術館、ロシア美術館、イサク聖堂、血の上の救世主教会、マリンスキー劇場などの文化的建造物が点在し、荘厳な街並みを形成していました。練習や行事の合間に、市内観光にも出かけましたが、圧倒的な存在感、美しさにただただ感嘆するばかりでした。
5 食事
滞在中、原則として朝食・夕食はホテル、昼食は練習会場のあるスポーツアカデミーの食堂でいただきました。個人的には、ボルシチに代表されるスープ類、少し癖のある黒いライ麦パン等おいしくいただくことができましたが、選手達は慣れない味に戸惑ったようです。間もなく、ホテルの近くにあったマクドナルドが彼らの栄養補給源になりました。
ある先生曰く、「海外の試合で勝つには、何でも食えないとだめ」。
まったく違う食文化に順応するには、時間と経験が必要かもしれません。今後、国際舞台での活躍が期待される彼らには、早い段階で言葉と食の苦手意識を払拭することが必要と感じました。
6 練習会場〜スポーツアカデミー〜
試合前の調整練習については、ホテルから徒歩15分程の距離にあるスポーツアカデミーで行いました。敷地内には、レスリングのカレリン選手(オリンピック3連覇)などアカデミー出身の有名選手の銅像が鎮座し、道場内にはプーチン大統領の大きな写真が何枚も飾られてました。

・ 練習会場にて |

・ 練習後、オールロシアチームと記念撮影 |
7 オールロシアチームについて
初日、二日目は日本チームだけで打ち込み中心の調整練習を行いましたが、三日目からオールロシアチームが合流し、二日間、合同練習を行いました。
彼らは14〜17歳。普段はロシア各地の自分のクラブで練習し、年に4〜5回、2週間程度の集合合宿を行っているそうです。今回のチームには、既にこの世代の世界大会や欧州大会で活躍し、上位入賞を果たしている選手が複数いるとのこと。いざ乱取り稽古が始まると、外国人選手特有の力強さ、手足の長さに日本人選手が圧倒され戸惑う場面が多々見受けられました。中には、相手との間合いを上手に確保しながら、先手先手で攻撃できている選手もおりましたが、半数近くは先に両手を持たれて、成す術なく投げられてました。言い古されてはいますが、組み手と自分の型をしっかり持つことの重要性を再認識しました。ただ、若い彼らにとっては、大変良い経験になったことでしょう。強い外国人選手と比較して、現時点の自分に何ができて、何ができないのかが見えたのではないでしょうか。
8 ルール
ルールについて、国内では本格運用されていない新ルール(足取り全面禁止、関節技有り、指導の取扱変更など)が適用されることになりました。国内では、一部大会で試験的に導入することになっていますが、ロシア国内では本年1月からすべての大会を新ルールでやっているそうです。詳細は、当日朝の審判会議で決定されるということで、選手達には「いつもどおり、自分の柔道をしよう。」とだけ伝えました。
9 試合
ルールについて多少の不安は確かにありましたが、試合になれば選手達は実力を発揮。初戦の北西チーム戦を前4人で勝利を決めると、接戦もありましたが、見事に4戦全勝で予選リーグをトップで通過。
準決勝では、予選リーグでオールロシアから唯一2ポイントを奪った地元のサンクトペテルブルグチームと対戦。先鋒戦、これまで4戦全勝でチームに勢いを付けてきたチーム最年少の湯本選手が、裏投でポイントを取られ優勢負け。続く二人も破れ、崖っぷちの状態で、笠原選手が背負投で一本勝ち。笠原選手は、この日の5試合、すべてに一本勝ち。ここから巻き返したいところでしたが、後続が続かず、結果して2対6の完敗。
優勝には一歩及びませんでしたが、1・2年生が半数以上を占めるチームでの第3位入賞は、賞賛に値するものと考えます。
試合結果だけを見れば、実力を発揮し自信を付けた選手、思うような試合運びができなかった選手、双方いたかと思いますが、大事なのは、しっかりと自分の試合内容を振り返って、今回のこの貴重な体験をそれぞれが今後の稽古に生かしてくれること。
憂慮した新ルール対応の面では、3試合で足取りによる反則負けがありました。いずれも相手の技に思わず体が反応したもので、ルール改定の動向を見ながら、これから修正していけば良いかと思います。それと、隅返しでポイントを奪われる試合が5試合ほどありました。最初は反応していても、再三の攻めに中盤以降、ポイントを奪われるケースもあって、ここは何らかの対策が必要と感じました。
10 終わりに
今回の遠征に参加できましたことは、選手ばかりでなく、私にとっても大変貴重な体験となりました。私自身もこの貴重な体験を今後の柔道指導に活かすとともに、ともに参加した選手達の成長・活躍を自身のフィールドの範囲内でサポートして参りたいと思います。
先ずは、この貴重な体験の機会を与えていただきました藤田会長ほか関係者の皆さまに感謝申し上げます。
そして、今回の遠征実施に当たり、絶大なるご支援を賜ったサニックススポーツ振興財団、福岡県柔道協会、そして、現地での全面的なサポートをいただいたロシア・ヤワラーMのスベトラーナ校長先生、ウラジミール先生ほか関係者の皆さまに深甚なる謝意を申し上げ、遠征報告とさせていただきます。感謝。
文責 渡邊 裕二
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